私は何も、お礼すらも言えないまま口をパクパクしていると

佐藤クンは微笑んでから教室とは逆の廊下を歩いていった。






また‥‥





会いたいな‥‥。









そう思いながら教えてもらった通り教室に戻った。








結局、帰りが遅いと担任に短い説教をされ

道に迷ったと言い訳すると、クラスの皆から笑い物にされた始末。





恥だ‥‥。




と思いながらも

楽しい高校生活が送れそうな予感がしたのを忘れない。






いつしか保健室野郎のコトすら、キラキラした高校生活の夢のせいで

忘れてしまっていた。