すると突然、腕が捕まれた。





それはスローモーションみたいな光景で、久々の手の感触。





「琉、風‥‥」




自然と口から漏れた名前



私にはやっぱり


この呼び方が1番‥‥。




捕まれたまま連れてこられたのは屋上だった。




ここ‥琉風と再開した‥。





目を瞑るとあの日が思い出された。




あのトキは‥確かに幸せだった。




まだ琉風って存在が信用できなかったけど、だんだんて惹かれてた。





「なつかしい、ね‥‥」




「だな」





素っ気ない反面、声は優しくて目が熱くなる。