「なんでもないよ♪」




それを言うだけで精一杯



「なんかあったら言ってよ??」




「う、ん!」




「そういや松井有華なんだけどさぁ」




「え‥‥?」




「あの子ほんといい子だよねぇ‥♪」




紗南、嘘でしょう?




「そう、だね‥‥」




紗南、私‥見方がいなくなっちゃうよ。




「夏月のこともすっごい心配しててね―‥」





聞きたくない。





――バンッ!!




「夏月‥‥?」




バッと椅子から立ち上がると何も言わずに帰ることにした。





「夏月!?」




紗南、ごめん


私、そんなに心が広くないんだ。



昔のことを忘れられるくらい私はすごい人じゃない。