「何見る?」
と聞かれても、あんまりおもしろい映画とか知らない私。
映画館の前で立ち止まる。「何がオススメ?」
私は背の高い三國を見上げて聞いた。
三國はちょっとうーんって悩んで
「白い太陽は?」
っていかにも女の子向けの恋愛系の映画を選んだ。
三國みたいな男子がこんな恋愛映画見るなんて思えない。
「三國恋愛系見ないでしょ?」
三國・・・絶対私に気を使ってコレ選んだ。
「みるよーたまにー」
ってゆるく三國は、微笑んだ。
三國はスマイルマンだな。・・・つくりものの。
「カノは、恋愛系見ないの?」
「私・・・映画館来たの久しぶりで・・・」
私は下を向いた。
一緒に来る友達も家族も私にはいないから。
「んじゃオレがおもしろい映画見せてやるよ!」
私を励ますように笑った。
「真っ暗」
映画は、もう始まっていた。
私は三國の後について、こそこそと席に座った。
三國とは席が隣。
見る映画は「白い太陽」に決まった。
三國は優しいから。
でも、正直ウキウキしてる私。
映画とか見に来たいけど、一人で見に来るのはかなり勇気がほしくて。
見かけによらずチキンな私にはムリだった。
しばらく映画に夢中になっていた。
映画は切なくて、私が大好きなストーリーだった。
隣から、少し寝息が聞こえるから三國を見てみたら、気持ちよさそうに寝てた。・・・やっぱり気ィ使ってたんじゃん。
恋愛系得意じゃないくせに。
でも・・・私に合わせてくれたんだ・・・。
(以外に優しんだな)
これが三國への第三の印象。

