「気持ち悪ぃ」
顔を真っ青にした八雲くんの手から、スーパーの袋がドサッと音をたてて落ちた。
さすさすと八雲くんの背中をさする三國。
私はまだア然としていた。
「ごめんごめん!八雲!カノ!許してよ!」
とか言いながら笑ってる三國。
絶対楽しんでる!
「八雲くん、恐怖症なの・・・?」
「うん。極度の。だから、カノに会わせたんだ。治んないかなーと思って。」
八雲くんをチラっと見てため息をついた。
「これじゃ無理だな。荒療治だ。ごめんカノ。一人で帰れる?」
「あ、うん!大丈夫」
「悪ぃな・・・。」
声のトーンが低い。
送ってやれなくて悪い。と三國が言った。
私は、首を横に振り、
「八雲くんについていてあげて!」
と返事をした。
バイバイと言って、ドアを閉めた。
歩いている途中、いろんな事を考えた。
八雲くんの事、三國の事。
なんというか、八雲くんの事は、ショックというか・・・。
自分の顔をみて、吐かれそうになるのって微妙な心境だ。
家に着いて、携帯を開くと、三國からメールが着ていた。
[大丈夫だった?家に着いた?送ってやれなくてごめん。明日詳しく事情話すわ。ごめん!]
そんなメールに私は
[大丈夫だよ!心配しないで!八雲くんは大丈夫?]と送った。
すぐ、大丈夫だよ。と返信がきた。
良かった。
そんなふわふわした気持ちの私に現実が突き付けられた気がした。
リビングから聞こえる・・・。
「おまえなんか・・・!!」
「あなたなんか大嫌いよ!」
耳障りな叫び声。
携帯を閉じ、ベットに寝転ぶ。
瞼を閉じ、ため息をつく。
・・・嫌いになるなら、一緒にならなければいいのに。
バカな人たち。
くだらない。
恋とか、愛だとか、うさんくさくて信じられない。
すぐ終わるものを、人は簡単に愛を信じて、神様に永遠を誓う。
私は、絶対にそんなバカみたいなことはしない。
簡単に恋もしないし、愛も信じない。

