tiramisu.



時間が過ぎて、放課後になるのはあっという間だった。
カバンを背負い、私の頭、一個分高い背の後を歩いた。
「オレん家、案外近いんだよ」
後からじゃ、三國の表情は見えない。
「カノのいた河川敷、オレの通学路なんだ。」
通学路。
私が今歩いているのは、三國の通学路。
だから、私を見つけてくれたのかな?
真っ暗な暗闇の中から、一人いる私を。

しばらくしゃべっているうちに、三國が足を止めた。
私も三國の横に立つ。
高級住宅地に建つマンション。
三國は、鍵を開け、中に入る。
「入って」
手招き。
「おじゃまします」
表札には、『三國』の文字。
中は、すごい立派で、広くて三國が一人暮らししてるなんて信じられなかった。
結構、高級住宅地なのに、三國一人でどうやって暮らしていれのか不思議だった。
まだ中学二年生の男子が、一人で。


「座っていいよ。」
リビングに入り、ソファに座った。
紅茶とコーヒーどっちがいいかな?と聞かれたから、三國と同じのでいいよ、と答えた。
すごい綺麗な室内に絶句。
シンプルでオシャレな家具達。
「はい」
私の前に紅茶が置かれる。
三國は、ソファに座らず、携帯で誰かに電話をかけていた。
私はもう、緊張で頭がおかしくなりそうだった。
ドキドキと心臓がうるさい。
電話が終わり、三國がようやくソファに座る。
「今、八雲が来るよ」
「うっうん!」
いきなり対面か!
なんて思ってたら、本当にすぐ来た。
リビングのドアが開き、『八雲』くんが顔をだす。
「女?」
黒髪で前髪を上げている三國と比べたら、どっちかというとガッシリとした感じの人。
でも、ゴリマッチョって感じもしなくて・・・。
そんな彼の両手にスーパーの袋。
この人が、八雲くんか・・・。
イメージどおりだ、なんて思っていた。
私の顔をまじまじと見る八雲くん。
そして、どんどん顔が青くなる。
「えっ!?」
何?どうしたの!?
「そろそろ限界かな」
ソファを立ち、ドアから顔を出す八雲くんを三國は、支えた。
状況が飲み込めない私に三國が笑いながら言う。
「悪い悪い!黙ってて、こいつ、女恐怖症なんだ」
「えっ・・・!?」
女恐怖症!?