tiramisu.

次の日、私は普通に学校に行くことができた。
でも、学校に行くまでの通学路でたくさん葛藤があった。
麗花ちゃんにまたイジメられるかもしれない。という恐怖。
怖くて、怖くて仕方なかった。
でも、頑張るって決めたの。
だから頑張るの。

「おっ!カノもう来てる」
三國が登校してきた。
驚いてるみたい。
「おはよう」
私が席に着いて、三國にあいさつをすると、三國はニコーって笑った。
「カノ最近オレに対して、優しくなった!初対面の時はあんなに冷たかったのに!」
って。確かに、最初はかなり私、三國に冷たい態度だった。
「あの時の三國チャラかったから」
それを聞くと三國はプーってほっぺをふくらませた。
「オレチャラくねーし!」
そう言って自分の席にどかっと座った。
そして、私の顔を見て、
「もーカノが河川敷にいると思って、行ったらいないから、探したよ!」
ちょっと怒ってるみたいだ。
くるって私に背を向けて座ってしまった。
そして、手を前に組んで、ほっぺをまたふくらませた。
そんな三國を見て、私はふふって微笑んだ。
なんだか、可愛くて。
「わざわざありがとうね」って私は三國に伝えた。
振り向いてニコって目を細める。
そして、またくるんって私に体ごと向けた。
「んじゃお返しにメアド教えて」
三國は自分の携帯を開いた。
「軽っ!いいよ!」
全然軽いじゃん!って笑ったら、三國は素直の方がかわいいだろ!って言った。
私も教えて欲しかったからちょうどよかった。
「そーしん!」
携帯と携帯がくっつきそうなキョリ。
自分の携帯のアドレス帳に三國の名前がのる。
なんだか嬉しくなった。
「登録名は[オレのカノ]なっ!」
ってふざけた。
私も笑った。

「ムカつく」
誰かが、私に向けて言った。
ボソってつぶやいたみたいに小さい声。
でも、はっきり聞こえた。
低くて、聞き覚えのある声。
麗花ちゃんの声。