tiramisu.



「なんでもいいから仲よくしないで!!でないと・・・」
私はゴクンって息を呑んだ。
なんとなく、次に何を言われるかは想像できたから。
すぅって息を吸って麗花ちゃんが叫んだ。
「またイジメるから!」
『マタイジメルカラ』。
三國と関わるとまたイジメられるの・・・?
三國・・・。
三國は、私に優しく接してくれた大事な友達。
その三國と離れろっていうの?
「嫌」
キッて睨む。
握った拳は手汗がすごくて、震えていた。
怒っている麗花ちゃんに、勇気を出して言った。
ものすごい勇気を出した。
言った!
すごいハラハラした。
麗花ちゃんを見ると麗花ちゃんは、すごい形相になった。
ビクッて体が反応した。
麗花ちゃんはすごい怒ってる。
ものすごく。
「本当にいいの?またイジメられても」
いいわけない。
でも、三國から離れたくない。
三國がいなくなったら私はまた一人ぼっち。
「いいわけない。けど、三國から離れたくないから」覚悟決めた。
「はぁ!?」
私の言葉に文句つけようとしたみたいだったけど、私は
「それじゃ」
って遮った。
私は、平気な顔して麗花ちゃんの前から去った。

麗花ちゃんが見えなくなってから、胸に手を当てた。
バクンバクンって心臓がいつもの数倍の早さで動いてる。
すごい緊張した。
麗花ちゃんにあんな風に言っちゃった。
『イジメるから』
また・・・イジメられちゃう。
でも、あんまり後悔はしてないの。
私が決めた事だから。

いつも。
・・・私には、両方を選ぶ事を許してはくれないんだ。
全部。
何かを手に入れたら、何かが消える。
そんな私のセカイ。

それから授業を受ける気はしなくて、サボってしまった。
三國・・・心配してないかな?
メール・・・しておいた方がいいかな?
私は携帯を取り出すけど、盲点に気がついた。
あっ!
三國のメアド知らないんだっけ?
明日、聞いておこう。