HRが終わって、休み時間。
夏樹がさやの席まで来る。
「モテ子ちゃん」
いきなりからかってきた。
「もてませんから」
「さやがモテないって言ったら、みんなどうなるの?」
「彼氏いる人に言われても、説得力ないから」
夏樹には彼氏がいる。
付き合い始めたのは最近。
結構真面目に見える人。
「彼氏いるのと、モテるのは違うから」
…まあ、確かに。
こんなくだらない話をしていたら、
「おい」
後ろから声。
それが誰に向けられたのかわからないので、無視。
「だから、お前だよ」
………。
「しかとか?ちび」
………。
「さやだよ?」
またも夏樹の一言。
しょうがなく、後ろを向く。
背が高く、髪は黒で少し短い。
軽く腰パン。
一目見てわかった。
この人サッカー部?
「話聞いてんの?」
何か話していたらしい。
全然気づかった。
「すいません…何でしたか?」
「だから…今日の放課後、隼人が待ってるって」
げ………。
思わず、浜田ちゃんを見る。
こっちを見ていた。
この距離だと、話は聞こえると思う。
一応、大丈夫だよ。
と、浜田ちゃんにむかってジェスチャー。
浜田ちゃんもそれに気づき、笑顔になとた。

