HRが始まった。
新しいクラスの担任は、田中先生。
新任で、若い。
そんな先生の話を、ぼーっとしながら聞き流す。

さやの席は窓際。
一番後ろではないけど、わりと後ろ。
前には髪が短く、背の高い女の子。
まあ、さやが小さいだけかもしれないけど。

ふと、その子を見ると、後ろ…さやを見ていた。
「さやちゃん…だよね?私、浜田ののか。よろしくね」
「はい…」
人見知りなさやは、これくらいの返事しかできない。
「さやちゃんは、隼人を好き??」
なんて、いきなり切り出してくる。
隼人?
宮崎さんのことか。
聞いてたんだ、やっぱり。
てか、会ったばっかりで好きになんてなれないし。
「好きなわけないじゃん」
正直に答えた。
すると浜田ちゃんは、少し安心した様な表情。
………。
まさかね…。
とは思ったけど、聞いてみることにした。