「さやだよ…」
「…嘘……。さやも…」
夢みたいだった。
信じられなくて疑った。
けど、裕也は嘘をついているようには見えなかった。
まだ小学校5年。
初めて好きになった人と両想いになった。
幸せだった。
「でも、さやはまだ小さいから。さやが中学入ったら付き合おう」
そんな約束をした。
早く中学生になりたい。
毎日そんな事を考えてた。
クラスの子に告られたこともあった。
もちろんフった。
さやには裕也しか考えられない。
さやが中学生になるまでも、裕也とはたくさん遊んだ。
小学校6年。
裕也は中2。
さやには不安もあった。
裕也はかっこいい。
学校でもモテると思う。
だから、他に好きな子ができるんじゃないかって。
でもそんな不安も、裕也は消してくれた。
『大好きだよ』って。
魔法の言葉。

