…………竜聖の舌が、口の中に入ってくる。
そこでさやの思考が止まった気がした。
抵抗をしないさや。
むしろ、竜聖を受け止めている。
この行為は、竜聖を傷つけることになると思う。
まだ…竜聖を好きじゃないから……。
それでも、求めてきて…
拒めなくて、竜聖を傷つけて……。
後悔した。
涙をこらえていた。
本当は泣きたくて…。
罪悪感がさやを襲ってくる。
自然に体が震える。
誰かに話し掛けられていた。
それすらわからない。
覚えていない。
けど…
抱きしめられて、ほっとした。
側にいてくれる人がいるんだ、って。
泣いていいよって言われてる気がした。
さやより大きい体。
すごく暖かかった。
その時だけ、恋をしたような錯覚さえした。