俺の腕の中で泣いている。
しばらくして、落ち着いてきたらしい。
「あっ…」
俺の腕の中だということを、忘れていたらしく、かなり驚いている。
「すいませ…」
離れようとする柊を、俺は止めた。
もう少しこうしていたい。
なんか、落ち着く。
「………」
戸惑いを隠せていない。
「少しだけ」
俺がそう言うと、静かに腕に収まる。
「大丈夫?」
「はい…」
まあ、大丈夫ではないんだろうな。
「なあ?」
「俺には、話せない?」
俺は話しを続ける。
「少しは…信頼していいよ。俺のこと。まあ、出来ねえかもしんねえけどさ…。」
「俺、いっつもお前のことからかってるし。でも、今日思った」
「…何を?」
不思議そうな顔で見てくる。
「お前、ちっちゃいくせに…悩みすぎ」