「何してた?」
ベッドで横になっている柊。
それを睨む俺。
「………」
答えそうにない。
「練習さぼってまで、あいつといたかったのか?」
柊は、苦しそうな顔をしている。
何か言いたそうな。
俺はゆっくりベッドに座る。
ゆっくり、柊を見てみた。
微かに震えている。
今にも泣きそうな顔で。
こいつに何があった?
あいつは何をして…。
こいつらの関係って?
俺は今、聞きたい事が山ほどある。
「……っ」
いかにも涙をこらえている。
…………。
こんな気持ちになったのは初めてだ。
なんかこう…守りたい。
てか、信用されたい。
俺の前だけでも、泣いていい。
そう伝えたい。
「………っ、拒めな……かった…………」
柊が言う。
「ごめんなさい……」
「謝る必要なんかない」
声は震えているくせに、泣いていない。
むかつく。
「泣いていいよ」
「………」
「俺のこと、信用してみたら?」
自分で馬鹿なことを言ったと思う。
けど柊は、
泣いた。

