無事、保健室到着。


中に入り、ドアを閉める。



「状況読めねえんすけど」
俺がそう言うと、

「ごめん…ただ、ボールが当たっただけ」
…なんだ。
まあ、良かった。
つうか、先生どこだよ。





「りゅーせい…」
いきなり名前を呼ばれて、心臓が高鳴る。
やべ…緊張してきた。

「…なんすか?」
緊張しているのがバレないように振る舞う。

「読んでみただけ」
無邪気に笑う。
俺の心臓は、ものすごい心拍数。
こんなに緊張したことはない。
「先生いないね」
「ん…」
先生がいない。

つまりは二人きり。
………俺、馬鹿だ。

邪念を振り払う。
そんな俺を見て、クスクス笑う。
仕草一つ一つが本当に可愛い。
俺の学年に、先輩みたいに可愛いやついねえよ。
ずるい…。





…………………!?