その日は、誰も私に話し掛けなかった。


もちろん朝あんなに
喋り掛けてきた美香でさえも。

話し掛けなかっただけじゃなく、
机を蹴られたり、
帰りにはローファーがゴミ箱に捨てられたりした。


つまり私はいじめられている。



…読み通り。



今までとは少し違ったから、焦らなかったかと聞かれれば嘘になる。

でも新しいゲームを見つけた私は
楽しみで仕方ない。




これからもっと、もっと、楽しませてね。





はーあ。

1日中作っていた
泣きそうな顔。

お陰で顔が凝った。


顔をほぐしながら
携帯を手にする。


新着メール12件。


予想より沢山のメールが来ていた事に
私のワクワクは
またより一層高まる。


やっぱり、ね。

メールの内容は
あの人達から。


死ね。

クズ。

最低。


アドレス帳には
当然削除したメアドばかり。

まあ、送り主があの人達だという事は
間違いないから
誰が誰のメアドだって同じか。


あ。


あったあった。


その人達の中で
唯一登録してある
メアド。



野口美沙。




最低。
真琴だったんだね
ゆーちゃん取ったの。
裏切り者。
地獄におちろ。




威勢の良いメールに
笑みが止まらない。



ゆーちゃん。

ね。

ゆーちゃんのゲームは、終わったと思ったのに。



あんな気持ちの悪い男のドコが良いんだろ。



ま、楽しませてくれて2人には感謝してるよ。