人の恋人は蜜の味。ーa traitor ー





17時45分





「美沙…ちょっと良いかな?」



おったんが美沙を
個室の外に連れ出した。



おそらくおったんは
私とさっき話した事を
全部美沙に話していんだろう。





おったんが美沙に
ついて行く事を知った美沙は
一体どんな顔をしているんだろう。





男という事と
生徒会長という事に
きっと安堵の溜め息でも
ついてるのかな?



想像しては愉快で愉快で
たまらなくなった。




「何かあった?」




自分以外が次々と
個室の外に出て行く事に
少し疑問を抱く、ゆーちゃん。



「何だろうね?…おったん美沙に告白してたりしてね。」




「それは無いだろ~!」





ケラケラと笑う
ゆーちゃん。





あとどれくらい
笑顔でいられるかな?




ガチャ。


カラオケの個室の
ドアが開いた。


少しの隙間から
おったんが顔を出た。



「ごめん落合!ちょっと美沙借りるわ!」




「…あぁ、おう。」




「わるいな!」





おったんはゆーちゃんにバレない様に
小さく私に頷いた。




頷き返す私。





さぁ。



ゲームは終盤です。







「どうしたんだろ、アイツ等。」





「どうしたんだろうね?私も分からない。」



首を捻る私を見て
益々不安そうにする
ゆーちゃん。


5分…10分…。



「まだ帰って来ないな」






そろそろ






かなあ?