美沙の顔はみるみるうちに
笑顔から恐怖に変わって行った。
この日も続く美沙へのイジめ。
そんな人達から
呼び出された美沙。
何をされるのかを
想像して
きっと恐怖感に襲われているんだろう。
これも作戦の内。
出来たら昨日の段階で
呼び出された事に
恐怖を感じてくれたら
ありがたかったけど
今からでも遅くない。
私は少しピッチを上げて行動を進めた。
案の定トイレに入った私を追ってきた美沙。
「今日本当に皆謝るのかな?」
この言葉を待っていた。
不安な顔を隠し切れない
美沙をの背中を優しくさすり
私は囁いた。
「私が、美沙を助けてあげる。」
「うまっ!ここのポテト俺めっちゃ好きなんだよね!」
「おい、お前さっきから食い過ぎ!」
放課後。
カラオケで楽しそうにはしゃぐ
ゆーちゃんとおったん。
この後クラスメートからの呼び出しに
不安を募らせているる美沙。
美沙の不安を知っている私。
約束通り私達は放課後
美沙が呼び出されている時間まで
カラオケで時間潰しをしていた。
もちろんこの時点では
ゆーちゃんとおったんは
美沙が呼び出されている事は知らない。
私は美沙とアイコンタクトを一つとった。
「おったん、ちょっと良いかな?」
「ん?」
カラオケの個室の外へ出ると
ひんやりと涼しかった。
「相談があるの。」
私はおったんの手を引き
ゆーちゃんと美沙の居る個室から
離れた場所まで連れて行った。

