「おはよう」今年も同じクラスになった詩と私。詩が一年を終わるときに私と一緒のクラスになるように担任に頼み込んだらしい
。担任も私が偉く落ち込んでいたのを知っていたし、同じクラスにしてくれたらしい。
「おはよう」できるだけ明るく接する。今まで辛かったけど昨日の出来事でさらに辛さが増した。
「何かあったの?」あの事件から詩はかなり心配性になった。
私の様子が少しでもおかしかったら尋ねてくる。
「うん……私じゃ竜二のこと救えないかも」私は詩に誓っていた。絶対に前の竜二のように変えてみせると。
「何、言ってんの?まだまだこれからだよ。大丈夫」詩は私の頭をよしよしと撫でる。
「ありがとう……詩」
「何よ、急に〜」詩は私に笑う。私も釣られて笑う。
こうやって何気なく周りの子が明るく場の空気を変えてくれると少し楽になる。



