アニマルマジック


「あっ、桃子ちゃん」

新くんは机で伏せていたけど私の声を聞いて顔を上げてくれた。

新くんの目は明らかに腫れていた。泣いたのかな?

そうだよね。私だけが悲しい訳じゃないんだよね。
きっと新くんも苦しいんだよね。

新くんは竜二が一番心を許していた親友だ。

竜二はいつも新くんの話を私に楽しそうにしてくれた。その姿を思い出して涙が出てしまった。

無愛想に話してるのに声は楽しそうで。新くんの話をしてる竜二も大好きだった。

『新ってよー意外とあんなんで俺より馬鹿なんだぜ』

『俺も喧嘩強いけど新はキレたらまじヤバいからな。あいつはキレたら何やらかすかわかんねぇからな』

『新さー小学校ん時、チョコやたらもらってた。俺はちなみに最高記録、3個だ』

『新と喧嘩したー』

『新いねぇーとつまんねぇー』

『今日、仲直りした』

『新はやっぱり俺の最高のツレだわ』

「うっ…」声にならないような声で涙が溢れてくる。

竜二…?
新くんの目が腫れてるよ。誰のせいよ……。