私は立っていられなくて前に倒れそうになった。
「桃子ちゃんっ」新くんが咄嗟に支えてくれた。
「あっ、ごめんなさい」
その後は全く覚えていない。先生にいろいろ話されたけど、何も答えなかった。
話してるのは分かるんだけど言葉が全く耳に入ってこない。
あんな竜二……違うよ。
帰りは新くんが学校まで荷物を一緒にとりにきてくれて家まで送ってくれた。
新くんは何も話さなかったし私も何も聞かなかった。
こんなに世界はころっと変わってしまうのだろうか。
私が見ている世界は本物なのだろうか。分からない…。
竜二……苦しいよ。
胸がすごく苦しいよ。



