「桃子っ」不意に彼に名前を呼ばれてびっくりした。
「えっ、あっ、はい」振り向くと彼に一言、言われた。
「好き…だ」恥ずかしそうに頭をかきながら小さな声で言う比嘉竜二。
でもその小さな声も私にはしっかり届いた。不覚にも笑顔になる自分がいた。
私も答えなきゃと思った。
「竜二…く、ん…私もあの笑顔好きです!!」
「やっぱ見てたんじゃねーか」
頭をかきながら恥ずかしそうにしゃがむ初カレ。
私はふふっと笑ってしまった。
「絶対あの事言うなよ!!まじでキレっからな!!しかも竜二でいいし」そう言って来た道を引き返していった。
「バイバーイ」
私は手を大きく振っていた。彼は後ろを見たまま手を上げていた。
その姿がまた可愛くて。まだ胸の鼓動は止まらない。



