「今の見たな?」いつもと変わらない無表情。さっきの笑顔とまるで違う。
「ううん、見てない」私は笑いながら嘘をついた。
私は比嘉竜二を怖いなんて思わなかった。何でか分からない。けど、あの笑顔は絶対に嘘じゃないと思ったから。
「嘘付け」手をポケットに突っ込みながら言ってくる比嘉竜二。
私の胸は最上級にドキドキしていた。一目惚れだった。
私はあの笑顔に魔法にかかったんだ。動物に対するあの笑顔に魔法にかかった。
「付き合って」私の口からは自分でも意外な言葉が出てきた。
「はぁ?当たり前だろ。俺が振られるとかありえねぇーし」そう言って少しだけ照れて後ろを向いていた。
彼の知りたいことがある。もっともっと彼が知りたいと思った。
思ったよりも悪くないていうこともなんとなーく頭で感じた。
冷たい人なのかもしれない。だけどゆっくり付き合っていけば彼の本当の姿も見れるかもしれないそう思った。



