「何、あいつら」
私は隣にいる一番の親友の吉岡詩(ヨシオカウタ)にしっかり引っ付いて小さな声で尋ねた。

「分かんないよー桃子痛い」
「あっ、ごめん」

あまりにも無縁な人たちに止められて私はかなりビビっていた。

「お前に用事じゃねぇよ」
多分学校一目立っている男。名前は分からないけど入学式から金髪だった。

私はその髪の毛を見て、詩にごちゃごちゃ愚痴っていたのを思い出した。

「おい、桃谷」
金髪野郎に急に名前を呼ばれて完全にビビっていた。

何で私?
私、何かやらかしました?
気に障ること………
えっ、詩に金髪キモいとか言ったの聞こえた!?

ヤバいヤバい…
これはかなりのピンチだ。
これから工場とかに連れていかれていっぱい殴られて私、殺されるんだ。

そんな妄想に浸っていると詩に名前を呼ばれていることに気がついた。