「あぁ?今の反則だろーが!!変な球だったじゃねーかよ。あぁ?」そう言いながら今度は相手の子を睨み付ける。その子は怖いのかもう下を向いたまま。
先生もビビりだしたのか後退りしはじめた。はーこれだから…
「いい加減にしろ!試合中!分かる!?入ってくんな!!」
はい、みんなビビってます。もう私警察官とかそっち方面に進もうかしら。こんなにヤンキーに楯突けるの私だけだ。
「はぁ?んだら」そう言いながら反抗してくる竜二。まじでうるさい…
「うるさいって!まじででてけ」私は竜二の体を全力で押してやった。
「おい、竜二。まじでやばいって」新くんがビクビクしながらコートまでやってきてくれた。THE 救世主!!
「は?黙れよ!!今、桃子と揉めてんだよ」
揉めてねーし!!突っ込みところ満載ね…彼は。
「わぁった、わぁったー後でな。」そう言って新くんは結構本気な顔で引っ張り出してくれた。シーンとしているコートに審判の子の小さな声が響く。
「では試合再開します…」私もイライラしながら持ち場に戻る。コート周りは人でいっぱい。もー嫌すぎる。絶対負けると思っていた試合…でも私は勝ち抜いた。多分それは相手の子が竜二にビビっていたから。私の実力でもなんでもない。
決勝はすぐに行われたけど、もちろんストレート負け。こんなの実力でもないのだから。私の中には後悔だけが残ってしまった。本当は嬉しいはずの二位。でも…嬉しくない。きっと私は3位だっただろう。これなら3位の方が喜べたはず。
もちろんすべてはあいつのせい…竜二のせい。そして今に至っている。



