甘の邪鬼 ~ツンデレ彼女×イジワル彼氏~

クラスの女子の中で話題になっている

リップの話をしている途中に、

急に思い出したように麻里が話を変えた。


「あ、そういえばさー、ハルちゃんから聞いたんだけどさ」

「んー?」

「何かね、この高校の近くに新しい図書館ができたんだって」

「ふうん。それだけー?」

「それが、それだけじゃないんだよー!!」


麻里の声が高くなる。


「ハルちゃんの友達がそこ行ったらしいんだけど、なんか変な図書館だったらしいんだよね」

「変? どういうこと?」

「んー…隠し扉があったとか」


何それ!? 隠し扉!?
気になる!!


「何それ!? 見てみた~い!!」

「でしょー!? だから、わたしも行きたいと思ったんだけど、最近塾とかデートで忙しくてさー。だから、天音にそれがどんなものなのか確かめてほしくて!!」


麻里にはあたし達より一つ年上の彼氏がいる。つまり高3。

もちろんあたしには彼氏はいない。はぁ、ホントに麻里が羨ましい。

あたしはその言葉を聞いて、疑問に思った事を一つ聞いた。