今、あたしを置いて教室を出て行こうとしてるのは、親友の南麻里。

中学・高校と一緒で、今は同じクラス。

いつも明るくて、頼りになるお姉さん的存在。

バカでおっちょこちょいなあたしに比べて、

麻里は勉強も運動もバッチリで、ホントに羨ましい。


あたしは急いで数学のノートを片付け、お弁当箱を持って麻里を追いかけた。





屋上のドアを開けると、麻里が日陰に座っているのが目に入る。

今日は天気が良いせいか、もう秋なのに日差しが暑いぐらいだった。

あたしは麻里に駆け寄り、座ってお弁当箱を開く。


「もう、天音来るの遅いよー!」

「ごめんごめん」


あたし達はそれぞれの箸を取り出して、

他愛のない話をしながら、お弁当を食べ始めた。