「そうみたいだ~。いつもごめんね~…」


と、言ってまた寝転がった。
目を閉じる。


『おい、ちょっと待て。起きろって。俺、朝練行くからな?』
「いいよ~。がんばっへ~。てきとーに帰…る…から…」


最後の言葉言い切れてない。
全く世話の焼ける女だ…。
まぁ、昔からこんなんだから、慣れてるけどな。




俺は部屋を出て、リビングで食パンをトースターに入れた。


俺、藤田大輔(フジタダイスケ)
至って普通な高校1年生。


さっき俺の部屋でグズグズしてたのは、子供ん時からの幼なじみ。
有村七葉(アリムラナナハ)
同い年で、誰よりも元気な女だ。


「あ、大輔、おはよー」
『おはよ、姉ちゃん』


トースターの待ち時間に目玉焼きを作ってると、姉の円香(マドカ)が現れた。
姉ちゃんは、学校に行ってれば高校3年生の代だ。