私の名前は神木麻衣、16歳のピチピチ新高校生です。
ただ今、人生で三回は来るという「モテキ」が来ております...。
「ねぇ、どーすんの麻衣!?」
「ん...。」
「ん。じゃないでしょ!板野と松山どっちにすんの」
「どっちって言われても…」
「えっ!?どっちもフっちゃう気!?」
「う-ん...」
この(←親切?)に相談に乗ってくれるのは私の心の友の仲程由芽。まだ付き合った事のない私に恋をさせようと頑張ってくれるのは有り難いんだけど...
私には好きな人がいるから付き合うとか無理!なんて由芽には言えないし…
一回ぐらい付き合ってみたいって思うのが本心だけど付き合うなら好きな人と付き合いたいって思うのがもっと本心。
「ん~決めた!!」
「どっちと付き合うか?」
「違うよ。どっちも断るの」
「えぇ~!?なんで?どっちもそこそこイケメンだと思うけど?」
「由芽面食いじゃん。麻衣は面食いじゃないもん」
「そっか。麻衣はB線だったね」
「B線じゃないし!」
「だったら早く行ってきたら?変な期待させたら可哀想だし」
「そ、だね」
「え~っと、松山君のクラスは4組?だっけ」
私が4組の教室へ行くと
「あれっ?麻衣ちゃん?」
松山くんがびっくりしながら教室から出てきた
「あっ、松山くん…」
どーしよ。なんて断ったらいいのか考えてなかった
「あ…えっと、あのね…松山くん」
「あっ!やっと決めてくれた?」
やっと…?そっか。1週間も待たせたらやっとだよね
「うん、あの…松山くんとは友達でいたいなぁと思って」
松山くんはがっかりした様子で廊下の壁にもたれかかった
「それってさ~ダメって事?」
松山くんが哀しそうな目でこっちを見てきたから一瞬ドキッとしてしまった。
「うん。ごめんね…」
「麻衣ちゃんが謝らなくていいよ。じゃね」
そう言うと松山くんはまた普段どうりな顔で教室に戻って行った
「はぁ~」
なんだか申し訳ない気持ちになってきた