駅に近づくと、 「オレたち、ちょっと寄るとこあるから」 そう言って上杉隼人はアタシに近づいてくる。 「寄るとこって…」 「いいから」 アタシの耳元で囁くと、強引にアタシの腕を掴んで歩き出す。 「じゃあ」 二人に上杉隼人は手を振る。 アタシも頭を下げた。 真奈美さんも竹下裕二も手を振って、二人で駅に向かって歩き出していった。