「別にいいのに…」 「あと、これも」 ポケットの中に上杉隼人は手を入れると、小さなブタのぬいぐるみを取り出した。 「おまえ、何度か挑戦して欲しそうだったから」 そう言って、上杉隼人はアタシにブタのぬいぐるみを突き出してくる。 別に欲しい訳じゃなかったんだけど…。 アタシはぬいぐるみとプリクラを仕方なく受け取って、バックの中に押し込んだ。 「さて、どこ行こうか?」 またアタシ達は、行き場所を探す為に歩き出した。