「アンタってあの女の人が好きなの?」 「おまえ、その質問は直球過ぎだろ」 竹下裕二は苦笑して、「あぁ、好きだよ」と素直に答えた。 「小さい頃からずっと好きだったんだ」 「へぇ…」 「幼い頃の二つ差って、年齢的にでかいだろ?」 アタシは相槌だけ打つ。 「成長すれば、少しはその差が埋まるかと思ってたんだけど…」 今度は相槌も打たなかった。 「いつまで経っても、オレは彼女にとって弟みたいな存在なんだよ」 「だから?」 「だからじゃなくて、でも」 「でも?」