アタシは、近くのベンチに腰を下ろす。 帰ろうかな…。 そもそも、アタシがここにいる理由もわからないし…。 外の風は冷たいし…。 「こんな所にいた」 「何か用?」 竹下裕二は声を掛けてくると、アタシの隣に座った。 「月本が出てくのが見えたから」 「アタシの事はほっといて構わないんだけど」 「つまらない?」 「別に…」 楽しくはない。