「どこ行こうか?」 前の二人に追いついた上杉隼人が、みんなに投げかける。 どうやら、デートコースは決まっていないらしい。 「ゲーセンは?」 竹下裕二が指差した。 「いいね、記念にプリクラ取ろうよ」 真奈美さんが賛同して、二人でゲーセンに向かい始めてしまった。 「記念って…」 隣を歩く上杉隼人の小さな独り言が、アタシだけに届く。 上杉隼人は、なんだか寂しそうだった。 アタシはそんな独り言を気にせずに、みんなの歩みについていった。