「アタシが勝ったら…」 「何…?」 「アタシの前から消えて」 「わかった…これでゲーム成立」 上杉隼人が扉の向こうで立ち上がるのがわかる。 「明日からゲームスタート」 彼はつぶやくように、静かに宣言した。 アタシは本当にこんなゲームをやるの…? 「じゃあ、また明日学校で」 さっきと違って明るい声が、扉から遠ざかっていく。 勝手に話を進めて、彼はいなくなった。