大「兄貴、どうする?」

空「どうするも、先方はもう来てるし今さら…」

海「……何の話?」

コソコソと相談しているお兄さん達。
やっぱり、認めてもらえないのかな…?

「失礼、鬼崎さん?」

声をかけてきたのは、立派なお腹をした中年男性。その後ろに栗色した髪の可愛らしい少女もいた。

空「あ、相沢さん…」

陸「相沢…相沢グループか。という事はあれが社長の相沢 満。あの女が娘の涼子お嬢様。」

ポツリと陸が呟いた。さすが御曹司、名前聞いただけですぐわかるんだ。

満「彼が弟の海斗君ですか?」

大「え、ええ。」

若干顔を引き吊らせる大地さん。見ると空海さんもなんか焦ってる。

涼「初めまして、海斗様。相沢 涼子です。
わぁ、嬉しいなぁ!こんな素敵な人が婚約者だなんて!」

昇龍・姫「は?」

婚約者って…言った…?

海斗を見上げると、彼も驚いてる。多分聞かされていなかったんだろう。

満「おや、もしや知らなかったので?」

私達の反応で察したのか相沢社長が聞いてきた。

海「聞いてません。」

ジロリとお兄さん達を睨む海斗。
ビクッと体を震わすが、すぐに明後日のほうに視線をそらすお兄さん達。