どれくらい走っただろう?

気が付くと目の前に人影が見えた。

海「あ、あの!」

そいつは振り返り、その瞬間俺は息を呑んだ。

「久しぶりだね。海斗」

ニッコリと微笑んだそいつは…

海「桃、華…」

俺達の恩人で特別な女、桃華だった。

桃「まさか、2人揃って死にかけるなんてね」

クスクスと笑う桃華。あの頃とまったく変わらない。

海「桃華、お前、どうして…」

桃「死神様に教えてもらったの。"また迷い込んだ魂がいる"って」

また?そういえば姫華も前に刺されたとき幽体離脱したって…

海「もしかして、俺も幽体離脱しているのか?」

桃「そーゆうこと!まったく、2人とも危なっかしくて見てらんないよ。」

そう言ってプクッと膨れた。その顔は姫華に似ていた。