†不思議の童話館†

私はその後、姉と共に姉の車(と言っても、父親が買ったものだけど)で、今日編入する事になっていた私立クリスタル・ローズ学院に向かった。



クリスタル・ローズ学院はこの辺りでは有名な進学校で初等部から高等部まである、いわゆる金持ちの子息令嬢が通う学校だ。
莫大な敷地と公立の学校とは比較にならない程の設備が整っており、一般人にとっては憧れの対象。
ちなみにこの学院の理事長は私の祖父が経営している。
祖父は私が生まれた記念にこの学院を創立したそうで、この学院の名前の『クリスタル』は私『水晶』から取ったもの。水晶って英語に訳すとクリスタルっていうでしょ。それ。
分かると思うけど、孫の名前を学校名に使うなんて、相当なじじ馬鹿だ。



私は今まで、ずっと公立の小学校、中学、高校と進学してきた。何でこの学院に通ってなかったかと言うと、金持ちの規則とか色々ウザいし、理事長の孫だからって注目されて目立つの凄く嫌だから。
でも、結局はこの学院に入る事になってしまった。最悪すぎる。



放課後、私は姉に言われた通り学院の校門に立って、姉を待っていた。
帰宅していく生徒達が、私をじろじろ見てくるけど、無視。