「彰さん。先日は失礼しました。先程は、ワイン有り難うございます。
ご家族でいらしてたのに、気付きもしませんで…」
「いや、今日は真奈の合格祝いでね。
イヴの日に 加奈子と来たのが 気にいったみたいで、来たわけだ。」
「そうでしたか。真奈ちゃん?合格 おめでとう。」
「……有り難うございます。」
私は、彼の顔を見る事が出来なかった。
彼は、この場所で初めて聞いた振りをした。
変に私との事を知られたくないからだろうけど…
「翔君?久しぶりだね?元気だった? あれから18年も経つのに、貴方はあの時のままねぇ。」
「加奈ちゃんも変わってないよ。良い女になったよ。」
「おいおい。翔?僕の奥さんを口説くなよ?」
「そんなんじゃないわよねぇ。 真奈?お父さん 翔君にヤキモチ妬いてるわぁ。」
「……そうみたいだね。
ごめんなさい。私 お手洗いに行っ…//」
席を立とうとしたら…
「翔さん?」
「待たせて悪かったねぇ。」
「いえ… あっ??失礼ですが、作家の西条先生ですか?」
「ええ〜」
