安西さんと、別れ自宅に戻ると、キッチンから良い匂いがした。


あれ?


お母さん 帰ってるのかな?


「ただいま〜」


「おぅ、お帰り…」


父がキッチンで料理をしてた。


「どうしたの?料理なんか作ったりして…」


「お父さんが、料理を作ってたら変か?」


だって、今まで一度も見た事が無いんだもん。


「変だよ。…急にどうしちゃったの?」


「お前は、小さくて覚えてないだろうけど、お父さんが作ってた事もあったんだぞ?」


「ホントに?」


そんな記憶なんて無いよ。…


「あぁ〜
仕事も一段階したし、暫くユックリ出来るから、家族サービスさぁ。」


「明日、吹雪にならないかな?」


「おいおい、それは、言い過ぎだぞ?」


でも、何となく 嬉しくもあった。


「お母さん 遅くなるそうだから、先に二人で食べるか?」


「うん。そうだね。…」


父が作った料理は?






ビーフシチューだった。


まさか、お昼に安西さんと食べたとは、言えず 美味しく頂く事にした。