「じゃ、またね。早く帰らないと 暗くなるよ。」

彼女達に笑顔を見せた。


何で?


貴方のその笑顔は、私だけに…


悲しかった。


すると…


ポタポタ…


自然と涙が零れた。





「どうしたの?」


「何でもありません。」


「お腹痛い?」


心配そうに 顔を覗き込む。


「見ないで下さい。…」


「…真奈ちゃん?」


貴方は、誰にでも優しいのかな?


いつか、その笑顔を私だけにくれますか?


「目にゴミが入っただけですから…」


「大丈夫?見てあげようか?」


安西さんって、意外と鈍感なんだねぇ。


「大丈夫です。もう 帰りましょう?」


「うん。…分かった。」


そして、私の手を繋ぎ歩き出した。


外は、スッカリ 夜になっていた。



「ごめんねぇ。こんな時間になっちゃったねぇ。」


「いえ、誘ったのは私ですから…」


「んじゃ、家まで送るよ。」


「はい。…」