ピッピー
ガチャ…
「お待たせ〜」
「こんにちは〜」
「さぁ、乗って…」
「はい。…」
「フフゥ〜 鼻の頭 真っ赤…」
「えっ?恥ずかしいからジッと見ないで下さい。」
「いつから、待ってたの?」
「えっ?今ですよ〜」
僕は、彼女の頬に両手で触れた。
「こんなに冷たくなってるじゃない。正直に言ってごらん。」
「えっと…その…一時間前から…」
「ええ?電話切って直ぐじゃない。君には、驚かされるよ…」
彼女は、テヘって舌を出して笑った。
「ヒーター強めにしたから、直ぐにあったまるからねぇ。
受験生なのに、風邪でも引いたりしたら、どうするんだ?」
「ごめんなさい。…」
今度は、子犬が叱られた時のようにしょんぼりした。
「昼ご飯 食べた?」
「いえ、帰ってから食べようと思ってたので…」
「じゃ、温かい物でも食べに行こう。」
「やった!!」
次から次へと 表情が代わり 彼女を見ていると、気持ちが癒される。…
