黒猫物語。



『し、知ってるよ』

目に見えて分かる動揺っぷりにクロはクスクス笑った。


「なんか…」

『ん??』

「年上に、見えない」



一言簡単にそう言ったクロは伸びをして立ち上がった。


そうして私の隣に来ると、

「ユキノ。」

そう呟いて、ポスっと転がった。


その瞬間ぶわぁぁと真っ赤になり熱を帯びる私の顔。

全神経が“そこ”に集中する。

『ちょ、クロ!!』

私がグイッとクロの頭を押すとその手を掴んで自分の手と絡める。

『ど、どいてよ…』


その行為に少しだけ弱々しくなった私。



「別に良いじゃん…」



“膝枕くらい”




そう言ってクロは手をつないだままスースー寝息をたてて眠りについた。


…どうしよう

このまま無理やりどかすのも、かわいそう…


仕方ないかぁ。
そう思いとりあえず膝を貸してあげることにした。


クロの寝顔を見ると整った顔は安心しきったように眠っていて、まだ少しだけ幼さの残るその顔にギュッと胸が締め付けられたーー…


繋がれた手は離れることなく繋がれてないもう片方の手でそっとクロの髪をなでる。


…あ、ふわふわ


金髪の髪はふわふわ綿菓子みたいで綺麗だったーー…