あーあ、言っちまった。


でも、あの様子だと気づいてないな

鈍感なやつめ


自然と笑みが漏れる俺。




アイツと初めて会ったのは…
俺が教育実習である高校に行った時だ。

実習2日目の
学校が終わった放課後
家へ帰ろうとしてると

小さな女の子が
女達に囲まれ1人の女に
胸元を掴まれていた。


『お前、橋知くんと幼馴染みだからって
ベタベタしてんじゃねぇよ 馬鹿。』


囲まれてる小さな女の子は
無抵抗で歯を食い縛っている。

『黙ってないで、なんか言えよ。』


「僕は…ただ友達だから
仲良くしてるだけだもん。」


キッと、相手を睨みながら叫んだ女の子。

『生意気なんだよ、お前まじキモい。』

胸元から手を離した女は
女の子に平手打ちをしようと手を振り上げた。


「おい、それはあんまりだろ?」

咄嗟に俺は女の手を掴み怒鳴っていた。


『なんだよ、お前邪魔すんなよ…
って カッコイイー!!
違うんですよぉ、私たちこの子から
いじめられてて…だから… 』


「意味わかんないこと、言う暇あるなら
さっさと、消えなブスども。」

女達は血相変えて逃げていった。