『俺ね、実はずっと前から
好きな子いるんだ…
たぶん、俺のことは
覚えてないと思うんだけど 。』
へぇ、… 先生好きな子いるんだ 。
《ズキン》
え、なんで心が痛いよ…。
『その子、可愛いくてさ
初めて自分のものにしたいって
思えた子なんだよな。』
「そ、うなんだ… えへへ」
なんでだろう、視界が揺らぐ
そんなの気づいてない先生は
さらに話し続けていく。
今日、わかったことは
先生には好きな子がいる。
そして……
僕が先生を好きかもしれないってこと。
恋したことないから、わかんなかったけど
恋愛小説なんかでよくある展開?かな
『おい、転校生ちゃん聞いてんの?』
自然と俯いていた僕の顔を
覗き込んでくる先生。
「その子とお幸せに!にへ
今日はありがとうございました。
先生いなかったら今頃どうなってたか」
この気持ちを見透かされたくない。
『ああ、ってお前待てよ。』
溢れそうな気持ち抑えながら
保健室のドアを開け外へ出た。