「美羽」 「あっ優衣。分かった早く帰ろ!」 にぱぁと笑う美羽に、優衣は真剣な表情を返した。 「ゆっくり歩こ?」 「えっうん……」 いつも茶けている優衣が、真面目な顔をしたのを不思議半分恐怖半分で感じながら、美羽は小さくつぶやいた。 「いつも歩いてるけど」 「きょうはもっとゆっくりってことよ!」 シリアスムードに入れない美羽に、優衣はこめかみをもんだ。