「夏目!やめてよその俺の美羽ってやつ!」 夏目の瀬田をつかみ上げる腕を、美羽は取った。 か弱い力で止めようとする美羽を無情にも払い、夏目は叫んだ。 「お前みてぇなナヨナヨした野郎は俺はきれぇなんだよ!」 「夏目!」 美羽の制止の声も聞かず、夏目はそのまま続ける。 「名声と顔だけで持てはやされてるくせによ!生意気なんだよ!いい顔してんじゃねぇっての!」 「………」 何も答える気のない瀬田に愛想を尽かしたように、夏目は左拳に力を込めた。