戸口の付近で騒いでいると、驚き眼を見開き、こっちを見た美羽と目が合った。
美羽は優衣に顔を赤くし、あ………とぼうぜんとした顔でこちらを遠目で見ていた。
優衣は誤魔化そうと苦笑いで手を振ったが、美羽は表情を一切変えない。
そのすきに、夏目は優衣の腕の拘束から逃れ、机を蹴散らしながら瀬田の前の美羽を押しのけ無抵抗の男子をつかみ上げた。
暴力を加えられているというのに瀬田は涼しい顔だ。
それがさらに怒りをあおったのか、夏目は八重歯と尖らせた。
「おい!なに人の美羽を誘惑してくれてんだああん!?」
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