次の日、優衣は少し遅れて登校した。
美羽が迎えに来てくれたのだが、先行っててと送り出したのだ。
理由はメイクが決まらないからと、朝食をゆっくり取りたかったからだった。
ぴっしりとナチュラルメイクを塗り、パンをふたキレも食べ、ゆっくりと登校した優衣の目に飛び込んできたのは朝の光と、瀬田と仲むつまじくをしている
「………美羽?」
声を抑え、昨日とは逆の位置のドアの陰に隠れる。
瀬田は席に座り、その前に美羽が立って口を開いている。
彼はいつも通りのポーカーフェイスだったが、美羽の顔色が違った。
高熱にうなされているように赤い。
周りのクラスメイトは見ぬふりをしているのかそれとも気付いていないかは分からないが、珍しいペアに気付いていないようだった。


