突き刺したレタスを口に運びながら、上目遣いで教室の後ろを見渡す。
空席を見つめ、熱い吐息を漏らした。
やっぱいいよねえ………瀬田君。
ミステリアスな男子って感じで!
優衣は熱におかされた瞳で空席を見つめる。
優衣は瀬田の大ファンだった。
彼が作詞を施したCDは必ず買ってるし、瀬田が多く詩を書いているアーティストのコンサートにも行った。そのアーティストには興味はない。もちろん歌目当てだ。
なぜか彼が作る詩は曲にぴったりの詩で聴いていて気持ちがいい。
そのアーティストの声音にまで注目し作詞をしているというのだから、天賦の才を感じられずにはいられない。


